以前、レザーアイテムを長く維持する方法としてご紹介しました。
この記事では、皮が腐らないようになめし加工されたものが革(なめし革・レザー)と呼ばれるなど、豆知識となる部分が多かったのですが、あまり種類などについては触れていません。
クロムハーツのレザーアイテムは上質でありながら、種類がとても豊富です。
何故、シルバーアクセサリーで有名なchrome heartsに、これだけのレザーアイテムが取り揃えられているのでしょうか。
それはchrome heartsというブランドが、バイク用品向けの革製品から始まったからです。
シルバーアクセサリーを扱うようになったのは、元々建築大工職だったクロムハーツの現オーナー兼デザイナーであるリチャード・スタークが、天才細工士であるレナードカムホートと出会ってからになります。
それまでのリチャードとジョン・バウマンは、革製品のみを中心に扱うスペシャリストだったのです。
そのため、彼らがクロムハーツのレザーアイテムに抱く感情や想いは強く、常人には計り知れません。
クロムハーツにレザー(革)を使ったバッグや、ウォレット(財布)が多いのはこのためです。
ブランドの歴史については、こちらで解説しているのでご参考ください。
また同じレザー(革)であっても、ヘビーレザーやデストロイレザーなど名称や特徴はさまざまです。
今回はクロムハーツで扱われているレザーの種類と、その特徴についてご紹介していきます。
目次
■クロムハーツで使用される代表的なレザー(なめし革)とは
まずは、ご存知の方が多くない「皮から革への成り立ち」について解説しておきましょう。
動物から採取した皮(原皮・スキン)はそのままでは時間と共に腐敗してしまうため、そのまま製品化することはできません。採取した皮には、最初に「なめし」と呼ばれる加工が行われます。
このなめし加工を施すことで腐敗や変質などが起こらない革へと変わり、革(レザー)はクロムハーツの技術によって異なる質感や魅力を持つ、財布やバッグ、ベルトなどのアイテムに変貌していくのです。
同じ読み方でも、皮と革で意味は大きく異なることが分かってもらえたと思います。
さて、クロムハーツにはウォレット(財布)やバッグなど、レザーアイテムのデザインこそ数多くのシリーズが存在していますが、素材であるレザーの種類は以下の素材でほぼ網羅されます。
・ヘビーレザー
・デストロイレザー
・スウェードレザー
・ヌバックレザー
・パテントレザー
・アリゲーターレザー(ワニ革)
・ラムレザー
■ヘビーレザー
クロムハーツの中で、もっともスタンダードかつ人気の高いヘビーレザー。
レザーウォレット(財布)をはじめとして、ベルト・バッグ・カードケース・リストバンドなど、すべてのレザーアイテムシリーズで使われているレギュラー素材です。
重厚感があり、丈夫さとほどよい光沢感を兼ね備え、長く愛用するほど馴染む革です。
皮本来の味と硬さ、質感を敢えて残しているのはヘビーレザーだからこその特徴です。
クロムハーツのファンであれば、ひとつは持っておきたい素材です。
該当するレザーアイテム名
■デストロイレザー
レギュラーレザーの表面に研磨をかけて粗く仕上げられたデストロイレザー。
「Destroy」の言葉を体現したかのようなデザインは、他にはない質感を生み出しています。
粗さを巧みに使いこなして作り出された凸凹感と光沢は、とても上品な印象ですが、長期間使っていくうちにヘビーレザーに近づいていくのも違った魅力を味わえ、ある意味お得な素材かもしれませんね。
またヘビーレザーと比べると、こちらのデストロイレザーは素材が薄いため、同じアイテムでも柔らかく、アイテム自体の薄さがかなり違うのもその特徴です。
そのため、1ジップウォレットや3フォールドウォレットなどの、お尻ポケットに入るタイプのアイテムでは好まれる傾向にあります。
該当するレザーアイテム名
・1ジップウォレット(2ジップウォレット)デストロイレザー
・REC F ジップ #2 ピラミッドコーナーボックスクロスウォレット デストロイレザー
■スウェードレザー(スエードレザー)
スウェードレザーは、素材である革の「裏側」をサンドペーパーやヤスリで起毛させ、いわゆるベルベット状にしたものです。
表側から見た時の起毛感と独特な光沢感が人気の素材。毛足が短く、ソフトで柔らかいものほど上質であるとされています。
一般的には、「クロムなめし」と呼ばれる加工が施された牛革や、ヤギ革(ゴートスキン)、羊革(シープスキン)などのレザーアイテムに使用されることが多いようです。
同じアイテムでも、ハードレザーと比べて上品な印象が前面に押し出されますので、並べてみるとまったく別のブランドかと思うほどの高級感のあるアイテムに変わってしまうのも面白いです。
そのためか、当レザーアイテムは、女性の方や年配の方に多く好まれます。
ちなみに、国内のクロムハーツではあまり扱われていない素材ですので、その点はご注意ください。
該当するレザーアイテム名
・REC F ジップ #2 フィリグリープラスウォレット スウェード
・ウェーブウォレット スウェード
・ジュディウォレット スウェード
■ヌバックレザー
ヌバックレザーは、スウェードが「革の裏面」を起毛したのに対して、「革の表面」を目の細かいサンドペーパーやヤスリなどで起毛させたレザーです。
スウェードレザーと比べて、毛足が短くてしなやか、それでいて優しく柔らかい質感が特徴になります。
ヌバックの名称は「新しい(NEO)オス鹿(BUCK)の革」が語源と言われています。面白いですね。
該当するレザーアイテム名
・3フォールドウォレット ヌバックレザー
・REC Fジップ フィリグリープラスハーフウォレット ヌバックレザー
・メッセンジャーバッグ #2 ヌバックレザー
■パテントレザー(エナメルレザー)
革の表面をエナメル(ウレタン樹脂塗料)でコーティングしたのが、パテントレザーです。
他のレザーと比べると強い光沢が美しく、エナメル加工によって耐久性と耐水性が大きく向上しています。
従来のクロムハーツの男っぽさとはひと味違う方向性のアイテムですが、カバンから取り出された際、かなりクールな印象を持たれるのは間違いありませんね。
該当するレザーアイテム名
・REC F ジップ#2 3セメタリークロスウォレット パテントレザー
・MO パテントレザーバッグ
■アリゲーターレザー/クロコレザー(ワニ革)
ワニ革の中でも最高級の品質であるといわれるのがアリゲーター(クロコダイル)レザー。
クロムハーツのレザーアイテムは基本的に牛革ですが、特に希少価値が高い素材を使っているこのアイテムは、クロムハーツのウォレット類の中でももっとも高額です。
たとえば、画像にある「REC F ジップ#2ウォレット」は、現在クロムキングでは72万円でのお取り扱いとなっています。(現在品切れ中)
クロコレザー特有の艶と凸凹感は、男のワイルド魂を激しく刺激します。またアイテムごとに異なる凸凹のパターンは、そのアイテムが唯一無二である証です。
ただし、現在こちらの革はワシントン条約により日本国内への輸入が禁止されている商品です。
国内店舗でも、大型店舗のみ年に数個入荷するかしないかのレアアイテムですので、どうしても手に入れたい!
という方は一度、当店クロムキングまでご連絡くださいませ。
該当するレザーアイテム名
・シングルフォードウォレット アリゲーターレザー
・ウェーブウォレット アリゲーターレザー
■ラムレザー/シープレザー(羊革)
他のレザーよりも柔らかく、断熱効果が高い革です。ほどよい光沢と独特なツヤがあり、ファッション性にも優れています。
その性質から、クロムハーツでもレザーダウンジャケットなどに使用されることが多いです
該当するレザーアイテム名
・ラムレザーダウンジャケット
・アーチロゴプレート・コスメティックポーチ ラムレザー
■まとめ
いかがだったでしょうか。
今回ご紹介した内容が、クロムハーツで使用されている革の種類となります。
革によって特徴や質感、与える印象などすべてが異なってくるので、素材選びは非常に重要です。
ただし、どのレザーについても簡単なケアで長く使えるものとなっておりますので、その点はご安心ください。
もちろん、各レザーアイテムには、そのほとんどで黒以外のカラーも存在するので、黒色のアイテムの次は、色々なアイテムを選ぶ楽しみが待っています。
なお、日本国内のクロムハーツでも最近はカラーアイテムを扱う機会が増えていますが、まだまだほとんどのカラーアイテムは、アメリカ店舗のみの展開となっています。
これまでどんな色のアイテムが出ているかについては、また別の記事で解説していきます。
ぜひ、あなただけのレザーアイテムを見つけ出してくださいね。